ラグタイムはいろいろ聴いてみたいけど、どんな人がいて、どんな曲があるのかがわからない方も多いと思います。
ここでは、代表的な作曲家の簡単な紹介と、これは聴いておくのがおすすめ!という代表曲をご紹介します。
クラシック・ラグ(ラグタイム御三家)
ラグタイムが流行り出した初期の頃(1899年~1917年頃)のラグタイムは「クラシック・ラグ」と呼ばれます。この頃は「ラグタイム御三家」というべき偉大な3人の作曲家がいます。
■ スコット・ジョプリン (Scott Joplin)
キング・オブ・ラグタイム。まず聴くならこの人で間違いないです。Maple Leaf Ragが大ヒットし、ラグタイムブームを作り上げました。58曲の作品を残しています。
【代表曲】:Maple Leaf Rag (1899), The Entertainer (1902), Solace (1909), 他多数
■ ジェームス・スコット (James Scott)
スコット・ジョプリンにも影響を受けた作曲家。楽譜販売においてスコット・ジョプリンに次いで売れたようです。
【代表曲】:Frog Legs Rag (1906)、Grace And Beauty (1909)
■ ジョセフ・F・ラム (Joseph F. Lamb)
スコット・ジョプリンの弟子で白人の作曲家。叙情的な作風に定評があります。
【代表曲】:American Beauty Rag (1913)、 Ragtime Nightingale (1915)
ストライド・ピアノ
1920年代になると、ニューオーリンズやニューヨーク(ハーレム)で傑出した作曲家(兼演奏家)が出てきます。スコット・ジョプリンの曲などと比べ難易度が高く、左手が大きく動く(またぐ=ストライド)ことから、この時代の音楽はストライド・ピアノやハーレム・ストライドなどと呼ばれます。この辺の曲が弾けたら超かっこいい!ヒーローになれます。ですが、しっかり弾くのは難しいかも。。アドリブ要素が入ることも多いです。
■ ジェームス・P・ジョンソン (James P. Johnson)
ストライドの父。ニューヨークで活躍した作曲家&演奏家。クラシックにも精通し、卓越した名曲を数多く残しています。彼に続く偉大なジャズピアニストに多大な影響を与えました。
【代表曲】:Harlem Strut (1921)、Carolina Shout (1921)
■ ファッツ・ウォーラー (Fats Waller)
ジェームス・P・ジョンソンの直弟子、体格が良いことから「太っちょ=Fats」と呼ばれる。15歳で演奏家としてプロの道へ。歴史に残る名曲を数多く作曲し、映画出演や歌など精力的に活動するが、39歳で急逝。後にアートテイタムやカウント・ベイシーら、偉大なジャズミュージシャン達に多大な影響を与えたと言われています。
【代表曲】:Handful of Keys (1929)、Ain’t Misbehavin (1929)
■ ジェリー・ロール・モートン (Jelly Roll Morton)
ニューオーリンズ出身のピアニスト、バンドリーダー、作曲家。音質は悪いが多数の録音が残っており、ファンは多い。晩年「俺がジャズを作った」と豪語して世間から叩かれるのもご愛敬。映画『海の上のピアニスト』では、モートンをモデルにした同名の人物が登場します。
【代表曲】:Grandpa’s Spells (1924)、Jelly Roll Blues (1915)